イギリスでは毎日、総選挙の話題で持ちきりです。
そして遂に本日12月12日木曜日は総選挙当日です。
日本では日曜日が投票日に設定されている事が多いかと思いますが、イギリスでは投票日と言えば木曜日なんです!
平日に選挙というのは、私たち日本人には馴染みがあまりありませんが、イギリスでは10 0年前から選挙の投票日は木曜日です。
そしてもちろん、選挙の投票日が木曜日なのにも理由があります。
イギリスの投票日は木曜日
イギリスの選挙の投票日は木曜日に開催されることが多く、投票時間は朝7:00から夜10:00までです。
平日木曜日の投票ですが、朝早くから夜遅くまで投票所が空いているので働く人も、出勤前や帰宅前に投票をすることができます。
いつから投票日が木曜日になったの?
イギリスの選挙の投票日が木曜日に行われるようになったのは、今から100年以上前の1918年からです。
イギリスで年齢に達した女性全てに参政権が拡大したのが1928年ですので、女性の参政権拡大以前からイギリスでは選挙は木曜日に行われるという慣習が始まりました。
ただ木曜日に開催しなくてはいけないという法令はないため、木曜日以外に総選挙が開催された事も過去にはあります。
1918年以前のイギリスの選挙
1918年以前のイギリスの選挙では、総選挙であっても選挙区によって選挙が行われる日にちが異なっていました。
総選挙が行われる週は決められていたのですが、 選挙区によってその週の内であれば好きな曜日に投票日を設定することができました。
しかし投票日のずれから、優勢政党により注目が集まり、人気が高まり更に支持されるという現象が起こることから、191 8年に総選挙の投票日はイギリス国内で統一され、木曜日に開催されるようになりました。
なぜイギリスの総選挙の投票日は木曜日
イギリスの総選挙の投票日が木曜日なのは、 なんとなく木曜日なのではなく、いくつかの理由があります。
金曜日が給料日だったから
1918年当時は週給制の会社が多く、 ほとんどの人が金曜日に給料をもらっていました。
金曜日には給料をもらったその足で、パブへ行きお酒を飲みに行くため、保守党の醸造制作に関する影響を受ける考えられていました。
そして木曜日は給料日の前日ということで、 労働者が一番真面目に働く日だと認識されていたそうです。
その真面目に働いた状態で、投票に向かへると考えられていたからです。
土曜日は二日酔い
金曜日に給料日で、仕事後にパブへ行きます。
そこで飲みすぎてしまい、二日酔いになってしまうときちんとした判断で投票できなかったり、そもそも二日酔いで投票へ行かない人が増える傾向が懸念されるため、土曜日は投票日には選ばれませんでした。
日曜日は宗教の影響がある
一方日曜日が投票日として選ばれない理由には宗教上の理由があります。
キリスト教の方にとっては、日曜日は教会へ行く日です。
教会の牧師さんたちはリベラルな自由主義の方が多く、そういった牧師さんの話を聞き影響を受けないために、日曜日は避けられたそうです。
金曜日と日曜日から最も遠い日の木曜日
給料日の金曜日と、教会へ行く日曜日からもっとも離れていて影響を受けない日、ということで、 木曜日が選挙の当選日として選ばれる理由の一つです。
木曜日はマーケットの日
伝統的にイギリスの多くの街では木曜日にマーケットを開催している場所が多くありました。
今の様にいつでも開いているスーパーがあったり、そこで買い物をするものが当たり前だった時代ではなく、週に1回街で開催されるマーケットに人々が買い物へ行くことが普通でした 。
木曜日にはマーケットが開催される街が多く、木曜日はマーケットへ行くために街へ出る人が多いため、選挙の投票日も合わせて木曜日にすると投票に行きやすく、投票率が上がると考えられたことも、イギリスで選挙の投票日が木曜日である理由の一つです。
投票結果発表や内閣と決めるのに都合がいい
総選挙の投票日が木曜日で夜10時まで投票が可能ということは、投票結果を集計するのは木曜日の夜中です。
そして金曜日に朝までには投票結果が分かります。
政権交代や政府の事情上、便利です。
また金曜日の朝までに選挙の結果が分かることで、与党となったリーダーが首相となるわけですが、首相がその後週末にかけてイギリスの首相官邸であるダウニング街10番地に引っ越しができ、さらに週末の内に内閣メンバーを考えることができ、月曜日からの正式な公務に一番影響がなくスムーズに進みます。
総選挙の投票日が木曜日に行われることによって、政権交代となった際に一番スムーズに事が進むため、投票日が木曜日に設定されるようになりました。
選挙の投票日は平日の方がいい?
はじめイギリスの総選挙の投票日が木曜日だと聞いて、平日に選挙だなんて、会社で月〜金で働いている人に優しくない、、 、と思いましたが、 よく考えてみると平日の方がいいかもしれません。
平日の方が割合からして通常通りに家から出社し、 自宅に帰宅する人の割合が多いです。そんな人にとっては、朝出社前に投票へ行くこともできますし、出社後の帰路で投票所へ行くことも出来ます。
一方投票日が週末の場合、選挙のために丸一日出かけることを諦めなくてはならない人、 もしくは逆に投票をしない人が出てくる可能性もあります。
週末の方が平日よりも早朝から夜遅くまで出かけている人が多くのではないかと思います。
そう考えると、イギリスの様に平日に選挙を行う事は理にかなっているように感じます。
しかし日本はイギリスよりも労働時間が長く、朝7時前に自宅をでて、夜10時以降に仕事から帰宅する人の数が多いので、日本でも平日が投票日の方が理にかなっているのかが分かりません 。。。
イギリスの選挙の当選日が木曜日なのには、 イギリスらしい歴史的理由があったとは知りませんでした。
イギリスって、本当に知れば知るほど面白い!
ブログ村ランキング登録しています。
こちら↓のボタンをポチっとしていただけるととっても嬉しいです。