ビーガン娘のイギリス生活記

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英政府通信本部「GCHQ」の正体が解き明かされる特別展『TOP SECRET』Inサイエンスミュージアム

ロンドンのサイエンス・ミュージアムで行われている『TOP SECRET: FROM CIPHERS TO CYBER SECURITY 』という特別展を見学してきました。

 

『TOP SECRET』は、イギリスの政府通信本部であるGCHQ(Government Communications Headquarters)の創設100周年を記念して、 サイエンス・ミュージアムとコラボして行われている特別展です。

 

諜報機関であるGCHQに関する無料のエキシビションで面白かったのご紹介致します。

 

 

 

 

『TOP SECRET: FROM CIPHERS TO CYBER SECURITY 』

この特別展では、イギリス政府通信本部GCHQ創立100周年 を記念して、イギリスの諜報活動の歴史が紹介されています。

 

第一次世界大戦時から、第二次世界大戦、 冷戦時代から現代に至るまでのイギリス政府の知られざる諜報活動 と、その諜報活動によってどのようにイギリスがこの過去100年 間守られてきたのかを知れる、興味深い特別展でした。GCHQの 秘密がこのように公開されることは史上初のことだそうです。

 

期間:2019年7月10日~2020年2月23日

場所:サイエンス・ミュージアム、Basement Gallery

住所:Exhibition Road, South Kensington, London SW7 2DD

時間:10時~18時

料金:無料(Webにて要予約)

所要時間:1時間~1時間半

 

無料で開催されているこちらの特別展ですが、Webにて事前予約が必要となっています。しかし実際には、 事前予約をしていなくとも混んでいなければ、当日サイエンス・ ミュージアムへ行ってその場でギャラリーへの入場を申し込めます 。

 

2020年2月23日でロンドンのサイエンス・ ミュージアムでのこちらの展示は終了しますが、その後2020年 10月からマンチェスターの産業科学博物館での開催が決定されています。

 

 

注目作品

暗号の歴史

特別展の最初は、秘密な事柄を伝達するために暗号が遥か昔から使われていたことが紹介されていました。

 

16世紀のスコットランドの女王のメアリー女王が、 イングランドの女王エリザベス1世の暗殺を企てるために送られた 暗号化された手紙などなど、紀元前や紀元後、 中世の王族など常に様々な方法で秘密を伝達するために暗号が使わ れていたことが説明されていました。

 

暗号の長い歴史を見てみると、「秘密」 というものは人類の歴史から切り離せない重要な歴史があることを実感させられました。

 

 

 

エニグマ」解読への研究

GCHQの功績の中で最も有名なものは、第二次世界大戦時にドイツが使用していた暗号「エニグマ」 の解読に成功したことです。

 

第二次世界大戦中にドイツが使用していた暗号「エニグマ」 は読解不可能と言われていました。GCHQの前身となった政府暗号学校は、この読解困難なエニグマを解読するために密かに言語学者や数学者を雇っていました。学者の知恵が集まり、 読解不可能と言われていた「エニグマ」は解読されました。

 

その解読に大きく貢献したのが、今度イギリスの50ポンド札になることが決まったアラン・チューリングです。「人工知能の父」 とも呼ばれている人物です。

 

このアラン・チューリングの「エニグマ」 解読を描いた映画があります。ベネディクト・ カンバーバッチ主演の「イミテーション・ゲーム」です。 おすすめの映画ですので、ぜひ気になる方は見てみてください。

 

『TOP SECRET』では「エニグマ」 の読解に至るまでの功績が説明されています。またこの「 エニグマ」を読解することができたことにより、ドイツと同盟を組んでいたイタリアや日本の暗号も解読できるようになったそうです。

 

エニグマ」 の解読によって第二次世界大戦終結が早まったと言われているの で、これはGCHQにとってとても大きな功績です。

 


「エニグマ」解読への研究:image

 

冷戦時のスパイ

GCHQが冷戦時にイギリスに住んでいたロシアのスパイを特定し、捕まえたことも一つのブースとなって展示されていました。

 

冷戦時になるとより一層通信機器やテクノロジーが進化し、より高度な暗号の解読が行われたり、スパイが住んでいた場所を特定する過程を見ることができる展示となっていました。

 

 

GCHQの正体が暴かれる

1986年と1987年に「Zircon Affair」という事件が起きました。

 
GCHQは政府の秘密機関ですが、ジャーナリストがGCHQを徹 底的に調べ上げ、GCHQがトップシークレットであり外部の人が知る由もないと思っていた情報を入手していたということがあったそうです。

 

ジャーナリストがGCHQの人をインタビューした際に、 トップシークレットであるその案件についても質問をし、GCHQ の方は正に開いた口がふさがらない、という状態だったインタビュー映像が残されていました。

 

これを機に、GCHQはすべての情報を機密にしていくことができない時代になったことを理解し、 一定の情報を公開するようになったそうです。 政府の機密機関ですので、 国のお金が使われて運営されている事もあり、 すこし情報を公開することによって国民にGCHQの役割を理解してもらう意図もあるみたいです。

 

秘密を扱う政府機関の難しいバランスを取らなくてはいけないようで、面白いなと感心しました。

 

 

特別展『TOP SECRET』の感想:GCHQの紹介?!

イギリスの政府通信本部GCHQ」の創設100年を記念したエ キシビションでしたので、 映画のような世界の特別展だなと思い行ってみましたが、実際は、 人類の長い歴史の中で常に、秘密・暗号・ 解読というものが使われてきた事から紹介されていたので、 そういった秘密・暗号・解読というものが、 少しだけ身近なものに感じられながら見学できました。

 

そうは言っても戦争時の相手国の暗号読解を秘密裏に行ったり、 冷戦時に国内に潜んでいるスパイを特定したり、 多くの一般の人が知らないうちにこんなことが起こっていたのかと 思うと、驚きもあり、展示品と解説を読んでハラハラもしました。

 

機密情報を扱っているGCHQが未公開であったものを今回無料の 特別展で公開するなんて、なぜ?とも思っていましたが、展示を見てみて、もっと一般の人にGCHQが認められて、予算と優秀な人材を得ようとしているんではないかな、と感じました。

 

いくら秘密を扱っている機関だとは言え、 国と国民のサポートが必要なのか、と感じました。

 

そういった意味では、今回この特別展を見て、私はまんまとGCHQが狙っていたとおり、GCHQが重要な役割をしていることが理 解でき、GCHQがイギリスまたは世界にとって必要な機関だと感じさせられたので、特別展は成功ですね。

 

でも知られざる諜報機関GCHQのことを知れるこの『TOP SECRET: FROM CIPHERS TO CYBER SECURITY 』

面白かったうえ、無料なのでオススメです!

 

 

 

イギリスでは常に多くの展示が開催されていて、 無料のものも多くあります。もっともっと今いるこの恵まれた環境を最大限に利用してロンドン生活楽しみたいと思います。

「ロンドンに飽きた人は人生に飽きた人」

飽きることが不可能なくらい、いろいろなことが起こっているロンドン満喫します!

 

 

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