イギリスのお札ですが、数年前から徐々に紙のお札がプラスチック製のお札に取り替わっていっています。
そこで今日新しくニュースになっていたのが、新50ポンド札のデザインにはイギリス人数学者/暗号解読者のアラン・チューリングに決まったということです。
イギリスのお札
イギリスのお札は4種類が出回っています。
5ポンド札、10ポンド札、20ポンド札、50ポンド札の4種類です。
耐久性がよく長く使え、さらに偽装もされにくいプラスチック製のお札に金額の小さいお札から取り替わっているのですが、2019年時点で5ポンド札と10ポンド札はプラスチック製のお札になっています。
来年2020年には20ポンド札がプラスチック製のお札に移行します。
そして本日2019年7月15日に50ポンド札の新しいデザインも決まりプラスチック製のお札に代わることが明らかになりました。
お札のデザイン
イギリスの表にはエリザベス女王が描かれているのですが、イギリスのお札も日本のお札のように金額によって異なるイギリスの著名人の顔が描かれています。
5ポンド札
プラスチック製の新しい5ポンド札には、ウィンストン・チャーチルが描かれています。第二次世界大戦時にイギリスの首相を務めており、ヒトラーから世界を救った男とも呼ばれています。
10ポンド札
5ポンド札の次にプラスチック製になった新しい10ポンド札には、18世紀に活躍をした女性作家ジェーン・オースティンが描かれています。
ジェーン・オースティンといえばイギリスを代表する女性作家で、代表作には『プライドと偏見』などがあります。
エリザベス女王以外にもイギリスを代表する女性を、ということでジェーン・オースティンが新しい10ポンド札のデザインに選ばれたそうです。
20ポンド札
現在出回っている紙の20ポンド札には、イギリスの哲学者であり経済学者でもあるアダム・スミスが描かれています。
社会の授業で習った「神の見えざる手」といったアダム・スミスです。
2020年に20ポンド札はプラスチック製に代わるのですが、その際にはデザインはアダム・スミスからイギリスのロマン主義画家のターナーになります。
50ポンド札
現在の50ポンド札は産業革命の際に蒸気エンジンの開発でヒーローとなったジェームズ・ワットとマシュー・ボールトン2人の肖像が使用されています。
しかし2021年の終わりごろより新しくプラスチック製のお札に代わり、数学者であり暗号解読者のアラン・チューリングになることが決定しました。
アラン・チューリング
アラン・チューリングは第二次世界大戦中にナチスドイツが使用していた暗号通信を見事読み取り、多くの命を救った人といわれています。そして戦後にはコンピューターの初期の設定の一つに関わり、人工知能AIの父とも呼ばれている人物です。
アラン・チューリングなしには今日の世界は無かったとも言われています。
「イミテーション・ゲーム」という映画があるのですが、それはアラン・チューリングのお話。イギリスの大ヒットドラマ「Sherlock」でも有名なベネディクト・カンバーバッチがアラン役を演じてアカデミー賞主演男優賞にもノミネートされています。
第二次世界大戦時にナチスドイツが使用していたエニグマ暗号の読解に取り組み、その後同性愛の罪で警察に捕まるというアラン・チューリングのお話です。
チューリングの功績を広げるだけでなく、LGBT団体からも表彰される映画でした。
この映画がとっても面白いんです。観終わった後に心に残るものがあって、映画を観終わった後も時間があるとついついこの映画のことを考えてしまうほどでした。
まだ観ていない人は、絶対見てください。本当におすすめです。
今回の50ポンド札のデザインの候補の一人には、スティーブン・ホーキンスもいたそうです。しかしあの有名なスティーブン・ホーキンスよりも多く投票されて決まったアラン・チューリングです。どれだけすごいか!映画見ていただければよりすごさがわかると思います!
関連イベント
このアラン・チューリングが新しい50ポンド札のデザインに使われるということが決まる前から絶対に行こうと決めていたエキシビションが実はロンドンのサイエンスミュージアムで開催されています。
GCHQイギリス政府通信本部という情報収集や暗号読解業務を行っている諜報機関に関する特別展で、その中でアラン・チューリングが読解に成功したエニグマ暗号も紹介されているそうです。
丁度7月10日から開催が始まり来年の2月まで開催されているそうです。
予約が必要とのことですが、無料の特別展です。
特別展「Top Secret」!
絶対行って、もっとアラン・チューリングのことが知りたいと思います!!
正直、日ごろ50ポンド札を見かけることなんてありませんが、2021年末以降にアラン・チューリングの描かれている50ポンド札を早く見たい!
そしてお札からその国の歴史を学ぶのも楽しいなーと思った今日でした。
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