ビーガン娘のイギリス生活記

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『A Keeper』グラハム・ノートンの2冊目の小説【洋書レビュー・英語多読】

『A Keeper』グラハム・ノートンの2冊目の小説【洋書レビュー・英語多読】:plain

 

イギリスで活躍されているコメディアンのグラハム・ノートンさんが小説を書かれていることを以前知り、1冊読んでみてとても面白かったので、今回も彼の作品を読んでみました。

 

前回読んだ『Home Stretch』とはまた違い、今回読んだ『A Keeper』もなかなかいい作品でした。

 

グラハム・ノートン氏の小説『A Keeper

『A Keeper』はイギリスで大活躍されているアイルランド人のコメディアン、グラハム・ノートンさんによる2冊目の小説です。

 

イギリスで最も有名な本の売り上げチャートと言われるThe Sunday Time’s Best Sellerにも選出された1冊です。 

 

洋書『A Keeper』あらすじ

 アイルランド出身のエリザベスはニューヨークに住んでいましたが、アイルランドに住む母親が亡くなり、その家を片付けるためにアイルランドに戻ってきました。

 

エリザベスには父親がいなく母親に女手一つで過保護に育てられました。父親についてはエリザベスが幼い頃になくなったとしか聞いていませんでした。

 

しかし、部屋から母親が若い頃にエリザベスの父親と思われる男性と交わしていた手紙が出てきます。

 

40年前の両親の手紙のやり取りを読みながら、エリザベスは両親の過去を少しづつ知っていきます。手紙からだけでなく、実際にエリザベスの父親が住んでいた場所へも足を運んでみると、思わぬ秘密が次々と明かされていきます。

 

父親は亡くなったと思い込んでいたエリザベスは、母親が誰にも明かさなかった秘密を抱えていたことを知ります。

物語では現代と40年前を行き来しながら、エリザベスとエリザベスの母の視点から過去が解き明かされていきます。

 

洋書『A Keeper』の感想

『A Keeper』はグラハム·ノートンさんの別の作品である『Home Stretch』と同様に、時代が行き来する書かれ方でした。『Home Stretch』では色々な時代に行ったり来たりするのが少しややこしかったのですが、『A Keeper』では現在と過去の1点への行き来だけなので、時代が行き来しても読みやすかったです。

 

物語が進むに連れてどんどん過去の秘密が明かされていき、早く次を読みたいとどんどん読み進めてしまいました。

 

主人公エリザベスの母親の壮絶な過去が、もうサスペンスでした。田舎に住む女性が、結婚をしたく出会った男性とその母親の秘密の計画に騙され、とんでもない事を経験します。

 

本を読んでいる途中は何がどう進んでいくのだろうと不安になりながら、先が全然見えない状態で読み進めていくのが楽しかったです。

物語なので、こんな事絶対現実じゃ起こらないだろうなとも思いながらも、ストーリーに引き込まれていきました。

 

エリザベスの母親が出会った男性の人生を思うと辛くて仕方無かったです。幼い頃からこんなにもいろんな事を経験して、それらをずっと背負って生きてきた、不器用ながらも心優しい男性が本当に報われて欲しかったです。

 

エリザベスの母親の過去を探っていくメインストーリーとは別に、エリザベスの息子についてのサイドストーリーもありました。

 

読んでいる途中は「これ必要かな?」という気がしていましたが、最後まで読むと、エリザベスがエリザベスの母親や出会った男性の事を理解したからこそ、これからのエリザベスの人生に繋がっていると思うと、メインストーリーとサイドストーリーの繋がりを感じられて、とても綺麗なストーリーの終わり方でした。

 

英語も難しくなく、ストーリーの展開もサスペンス感があって気になるため、スラスラと読める1冊です。

 

 

 

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