普段洋書を読む際は小説を読むことが多いのですが、本のタイトルに引かれ、思わず今回はこちらの本を読んでみました。そのタイトルは『Why the Germans Do It Better - Note from a Grown-Up Country』です。
「ドイツ人は効率がいい!」とよく聞きますが、そんな評判を手に入れたドイツの秘密を知れる1冊かと思い、読んでみました。
『Why the Germans Do It Better』の内容
2021年1月でドイツは建国150年を迎えます。それに先駆け、『Why the Germans Do It Better』は2020年8月に出版されました。
建国から150年の歴史の中で、ドイツは世界大戦の敗戦や東西分断といった多くの国が経験したことのない歴史を経験しつつも、現在EUや世界を引っ張る先進国です。
大きな障害を越えながらも、なぜドイツは上手く色々なことをこなしてきたのかが、ドイツに長く滞在したイギリス人の目線から書かれています。
対戦敗退後の復興や、大戦後に生まれた世代に同じ間違いを犯さないように教育すること、東西分裂からベルリンの壁崩壊、その後の経済発展や移民問題など多くの視点を取り扱っている1冊です。
『Why the Germans Do It Better』の感想
ドイツは大国である中でも、日本と同様に世界大戦に敗北しゼロから国を組み立て直す必要があったなど、少し日本に似ている国として以前から少し興味はありました。
今までできたドイツ人の友達はどの友達もみんなきちんとしていて、日本の企業も多く進出していることから、きっと日本人のきっちりした働き方と似ていることも多いのではないかなと思っていました。その一方で、どうして日本は残業が多いのに、ドイツでは残業が少ないのか?と疑問にも思っていました。
本のタイトルが『Why the Germans Do It Better』なので、そういった点を掘り下げてくれるのではないかと期待して読み始めた1冊です。
しかし、実態はちょっと違いました。イギリス人である著者のジョン・カンプフナー氏がドイツでの生活で出会った様々な側面も記載されており、体験記のような部分も多くありました。
今まで知らなかったドイツの面白い部分を知れたのはもちろん、著者が現在私が住んでいるイギリスの方なので、イギリスとドイツを比べている面私にとっては同感しやすく面白かったです。
ただ、『Why the Germans Do It Better』というタイトルはとっても興味深く読者の心をつかむ一方、Whyの答えがはっきりとは見つからないのでモヤモヤもしました。
端的な答えを探すために読むのではなく、ドイツという国を掘り下げてみてみるだけなら、読んでいて面白い1冊だと思います。
『Why the Germans Do It Better』英語レベル
洋書『Why the Germans Do It Better』を読むには上級レベルの英語力が必要かなと思いました。
政治や歴史の話が多く出てくるので、難しい単語も多いかと思います。
そして何より、この本は1章1章がとっても長いです。
英語を読むのが遅い方や一度にたくさんの読書時間を取れない方にとっては、1章の途中で読むことを一時辞めなくてはいけなくなるので、どんな話だったかな?と話のつながりが分かりずらいと思います。
私も1章読むのに1時間半や2時間かかる章が多く、途中で中断してしまった際には前に書かれていた内容とのつながりを見失い、よく楽しめない部分がありました。
そうはいっても、ドイツのことを知れる面白い1冊でした。
ドイツに興味がある方や、イギリス人が見たドイツに興味がある方におすすめです。