ビーガン娘のイギリス生活記

「ロンドンに飽きた人は人生に飽きた人」は本当かを検証中のブロブです。

『北国の少女/Girl From The North Country』ボブ・ディランの楽曲を使用したミュージカル

歌手として初めてノーベル文学賞を受賞したボブ・ ディランの楽曲が使われているミュージカル『北国の少女』( 原題:Girl From The North Country)をロンドンで鑑賞してきました。

 

その感想をご紹介します。

 

 

 

 

ミュージカル『北国の少女』

ミュージカル『北国の少女』 は歌手として初めてノーベル文学賞を受賞したボブ・ ディランの楽曲20曲が使われているミュージカルです。

 

2017年にロンドンで世界初公演され、その後ウェストエンド、 オフブロードウェイ、トロントでも公開されました。

 

2019年12月から8週間限定でウェストエンドで再公演されています。

 

また2020年3月5日よりブロードウェイでも公開を予定しています。

 


ミュージカル『北国の少女』:image

 

 

 

 

ミュージカル『北国の少女』あらすじ

ミュージカル『北国の少女』の舞台は、1934年、 大恐慌後のアメリミネソタ州 ダルースです。ここはボブ・ディランの生まれ故郷で、ボブ・ ディランが生まれる少し前の時代です。

 

ダルースで経営危機の宿を運営している家族を取り巻く物語です。

 

 

ニックは借金を抱えながら宿を営んでいます。 銀行から倒産を迫られていますが、 家族をホームレスにしないためにもどうにか方法がないかと探しています。

 

ニックの家族は問題ばかりです。

妻のエリザベスは認知症を患っており、 ニックとエリザベスの息子は酒におぼれる小説家希望者です。

 

また二人の間には養子の娘のマリアンがいます。 マリアンは赤ん坊のころにニック夫妻が営む宿に置き去りにされ、 彼らに引き取られました。 白人家庭で養子として育てられた黒人娘です。

 

そんなマリアンは妊娠をしていて、 その子供の父親の正体を明かそうとはしません。

 

白人家庭で養子として育てられた黒人娘が、 未婚で身ごもるということは、 現在以上に当時は社会的に受け入れられないことでした。

 

そこで、ニックはマリアンの将来のことを考え、 結婚させようと取り計らいます。しかしその縁談話は、19歳のマ リアンに対して親子以上に年が離れている男性だったのです。

 

ニック家族が営むゲストハウスに住む苦しい生活を送る住人の問題なども取り扱われています。

 

とある嵐の夜にゲストハウスに泊まった聖書売りやボクサーを機に 、それぞれの人生が変化していきます。

 

世界的な大恐慌後のアメリカの地方に生きる、 様々な人生を描いた作品です。

 

物語の始まりや結末はナレーターによって紹介される形で終了します。

 

 

 

ミュージカル『北国の少女』の感想★★★☆☆

ミュージカルと言うよりは「音楽を挟んだ演劇」

ミュージカル『北国の少女』を見に行って感じたことは、 ミュージカルというよりも「音楽を挟んだ演劇」だと思いました。

 

通常のミュージカルの場合、 登場人物の感情が高まったシーンなどに登場人物の感情を表現する ために音楽が使われていると思います。

登場人物の感情を表現しているので、舞台上の相手役に向けて歌われています。

 

しかし『北国の少女』では既にあるボブ・ ディランの楽曲を使用しているためか、 登場人物のセリフから切り離されて観客に向けて歌われています。

 

そのためミュージカルというよりも、ストーリーと楽曲の2つを楽しむ「音楽を挟んだ演劇」の様に感じました。

 

 

当時の社会問題を扱ったストーリー

『北国の少女』の物語は当時の社会問題を扱っています。

 

世界大恐慌後のアメリカの地方での様子は、 こんなだったのかなと想像をしながら観てしまいました。

 

物語は最の結末はナレーターによって紹介される形で紹介されるた め、 最後にクライマックスがあって盛り上がる作品ではありません。

 

鑑賞後の盛り上がりから満足感を味わう作品ではなく、 鑑賞後に余韻を残す作品でした。

 

 

 

ボブ・ディラン好きにオススメ

ミュージカル『北国の少女』では、ボブ・ディランの楽曲が20曲も使用されています。

 

1960年代から1990年代までの幅広い年代のボブ・ ディランの楽曲を使用しているので、様々な年代のボブ・ ディランファンが楽しめる作品になっているのではないかと思いま す。

 

使用されている曲は「Girl from the North Country」「Forever Young」「Sweetheart Like You」「Like A Rolling Stone」などなど名曲が盛沢山です。

 

丁度私の隣に座られたご夫妻は、若いころにボブ・ ディランにハマっていて、ボブ・ ディランの楽曲が使用されたミュージカルなので観に来たと仰っていました。ボブ・ ディランの楽曲がたっぷりで大変楽しまれているご様子でした。

 

 

楽器へのこだわり

ミュージカル『北国の少女』では、 ステージで使われている楽器へのこだわりがすごかったです。

 

通所ミュージカルでは、 舞台と客席の間にオーケストラボックスがあり、 そこで演奏をしています。

 

しかしミュージカル『北国の少女』では、 オーケストラボックスではなくステージ上の奥の一角で4名の演奏 者が演奏していて、 演奏風景も演出の一部のようなデザインとなっていました。

 

また使われている楽器にこだわりがあり、物語の舞台である1930年代に存在した楽器だけを使っています。

 

そのため舞台の雰囲気を音色がマッチしていて、 聞き心地がよかったです。

 

 

ミュージカル『北国の少女』まとめ

ミュージカル『北国の少女』 は歌手として初めてノーベル文学賞を受賞したボブ・ ディランの楽曲が使われているミュージカルです。

 

ミュージカルではありますが、「音楽を挟んだ演劇」 のような構成になっていました。

 

1930年代のアメリカの地方で生活している人々の人生を描き、 ボブ・ディランの楽曲を使用している事から、 大人向けのミュージカルだと思いました。

 

なかなか楽曲提供してくれなさそうなボブ・ ディランが快く楽曲提供したミュージカル『北国の少女』は、 ボブ・ディランファンには必見の作品です。

 

 

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