ビーガン娘のイギリス生活記

「ロンドンに飽きた人は人生に飽きた人」は本当かを検証中のブロブです。

ハリポタのルーナ役イヴァナ・リンチの自伝『The Opposite of Butterfly Hunting』【洋書レビュー】

 

映画ハリーポッターでルーナ役を演じたイヴァナ・リンチさんが初の本を出版されました。

 

彼女自身自伝で『The Opposite of Butterfly Hunting: The Tragedy and The Glory of Growing up』というタイトルです。

 

実は子どものことに拒食症だったイヴァナさん。

大人に成長するにつれ、心と体の変化から拒食症を患い、どう乗り越えてきたのかが書かれている一冊です。

 

『The Opposite of Butterfly Hunting』あらすじ

アイルランドの田舎で工作が好きで想像力豊かに育ったイヴァナさん。しかし11歳くらいになると、少しずつ大人へと心も体も成長していきます。

 

心が大人へ成長していくにつれ、自身の存在意義を確認していくようになります。

世の中で自分の体がこれだけのスペースを使っていていいのかとまで考えたイヴァナさんにとって、日々自分の存在意義を確かめる方法は「毎日どれだけカロリーを消費したか」「昨日より今日の方が多くのカロリーを消費することを目標に、どれだけストイックになれるか」になっていきます。

 

そのため、イヴァナさんは11歳にして拒食障害を患ってしまいます。

 

イヴァナ・リンチさんがどう拒食症になり、どう乗り越えようとしてきたのかがメインでイヴァナさんの半生が描かれています。

 

イヴァナ・リンチさん自身、この本が拒食症を促す本にならない様とても気を使われて書かれた1冊です。

 

ハリーポッター好きだったイヴァナ・リンチさんにとってハリーポッターがどれだけ救いになったか、ハリーポッターのキャストに選ばれる秘話も少しですが盛り込まれているので、ハリポタファンとしても是非読みたい本です。

 

『The Opposite of Butterfly Hunting』の感想

ハリーポッターが大好きで、ルーナ役を演じたイヴァナさんが以前やっていたポッドキャストでイヴァナさんの物事や感情を言葉にする能力に魅了されていた私は、彼女が本を出したと聞いてさっそく読んでみました。

 

イヴァナ・リンチさんさんは11歳のことから拒食症で入退院を繰り返していたが、ハリーポッターのルーナ役に抜擢されたことで拒食症から立ち直ったと言われています。

 

確かに大好きなハリーポッターが彼女の糧になった部分もありますが、実際にはそんな綺麗ごとではないことがこの本には書かれていました。

 

周りの目を気にせず好きなことを自由に取り組める子どもから、少しずつ大人になっていく過程で誰もが感じる感情が拒食症に繋がることを感じさせられました。拒食症という形で表に出なくとも、違った形で表に現れることもあるだろうなとも思いました。

 

私が今まで見た拒食症についてのテレビ番組などでは、体重や体調の変化ばかりに焦点が当てられていました。しかし『The Opposite of Butterfly Hunting』では体重などの数値は全く書かれています。これはイヴァナさんが拒食症を促すものにしたくないからとの意向によるものです。

 

その代わり、イヴァナさんの心情が事細かに書かれています。

拒食症に繋がる様々なきっかけや、当時の考え方、乗り越えるため何をしたのか、夢を持つこと、自分に少し優しくなることなどが書かれています。

 

私は幸いにも拒食症ではありませんが、イヴァナさんが拒食症になった感情は持っているなと自覚しています。その感情が発癌しないように、興味を持ったことに挑戦してみたり、ちょっと自分を愛してみたり、褒めてみたりできるようになりたいなと思いました。

 

知らなかった拒食症の世界に驚愕させられると共に、大人になることって難しいなとも感じる1冊です。

 

また、イヴァナさんがJ.K.ローリングと文通をしていたり、ルーナ役に抜擢された際のことも書かれているので、ハリーポッターファンとしても楽しめる本でした。

 

『The Opposite of Butterfly Hunting』の英語難易度

読書家でもあるイヴァナさんが書く文章だけに、難しい単語がちりばめられていました。

 

本も割と長めですし、イヴァナさんの感情が多く絵があれているので、洋書慣れしていない方にはちょっと難しいかと思います。