ビーガン娘のイギリス生活記

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『Normal People/ノーマルピープル』イギリスBBCでドラマ化もしたベストセラー【洋書多読・洋書レビュー】

『Normal People』イギリスBBCでドラマ化もしたベストセラー【洋書レビュー】:plain

 

2019年アイルランド・イギリスだけでなくアメリカなど、英語圏でベストセラーとなったサリー・ルーニーの『Normal People』を読みました。

 

『Normal People/ノーマルピープル』は2020年イギリスがコロナウイルスの影響でロックダウンした際にBBCにてドラマ化され放送されたことで、より一層注目を集めました。

 

そんな大人気作品『Normal People』、物語に引き込まれ一気に読み上げてしまいました。

 

 

 

『Normal People/ノーマルピープル』あらすじ

 『Normal people/ノーマルピープル』は、アイルランドの田舎町で育ったコネルとマリアンの友情と恋愛を追った物語です。

 

コネルとマリアンはアイルランドの田舎町で同じ高校に通うクラスメートでした。コネルはイケメンで頭もよく、人気者です。一方マリアンは頭はいいものの、学校では輪に入れない陰キャラ。

 

そんな二人は恋愛へと発展していきますが、コネルがマリアンと付き合っていることを学校のみんなに知られたくなく、二人の関係は終了します。

 

しかし、頭の良かった二人は高校卒業後にアイルランドのダブリンにある一流大学トリニティカレッジで、再開します。

 

田舎育ちで、貧乏者、その上シャイなコネルは高校生活とは一変し、大学生活になじめなくいました。一方、同じ田舎育ちであるものの裕福な家庭で育ったマリアンは、同じような環境で育った学生の多い大学生活では花を咲かせていました。

 

高校卒業前に絶縁状態になってしまっていた二人ですが、大学で再開後また交流を深めていきます。

 

いろいろなことが起こる大学生活の中で、友情・恋愛を交えくっついたり離れたりを繰り替えしながらも、トラウマや不安を乗り越え、成長し、二人の関係は強く結ばれていきます。

 

 

 

『Normal People/ノーマルピープル』感想

 私はすっかり『Normal People/ノーマルピープル』の虜になってしまいました。

文句なしの星5つ★★★★★です。

 

自分が高校生から大学生、そしてきっと今でも感じている感情が、『Normal People』の主人公たちに描かれていて、そう感じていて苦しかった自分は一人じゃなかったんだと、心のセラピーのような感じがしました。

 

きっと誰もがこの本の中から、私も同じように感じたことがあると思える場面を発見できるんではないかと思います。また自分が同じように感じたり体験したことがないことでも、自分の周りにこういった人がいたなと思い浮かべながら読むことができるんではないかと思いました。

 

主人公の二人(コネルとマリアン)の成長に共感

二人はいろいろなことを経験していきながら、強い絆を築き上げていきます。

しかし恋愛感情だけで結ばれていくのではなく、二人が人としてお互いに支えあい、助け合って成長していく様子が素晴らしかったです。

 

コネルとマリアンが成長していく中で、2つのとても心に残る言葉がありました。

どちらも私が感じたことのある感情で、人はこういう気持ちを抱えながらティーンエージャーから大人へと成長していくんだな感じた言葉です。

 

Marianne will live with different people, and life will be different. But she herself will not be different. She'll be the same person, trapped inside her own body. There's nowhere she can go that would free her from this.

 

こちらの言葉、本当にそう!と強くうなずきながら読んでしまいました。

高校生や大学生、そしてたまに今でも、人生で躓いた時に、私は海外など私のことを誰も知らない場所に行って、一から生活を築きなおしたいと思うことがありました。

 

実際に留学やYMSなどで海外に出て、1からリセットして生活を始めてみても、やっぱり人生同じ問題にぶつかるんです。その時私が気付いたことは、環境が変わっても私自身が変わっていないからだ、ということです。

 

居場所や一緒に過ごす人、環境が変わっても、私自身は自分の体の中に閉じ込められてたままなんだ、と実際に感じました。自分自身が変わらないと環境が変わっても、何も感じないんだということを実感してきました。

 

このシーンではまだマリアンは自分が変わらないと、と思うことろまでには至っていないですが、この気づきがあったからこそ、その後の成長に繋がっているように感じました。

 

 

私が強く共感したもう一つの言葉はこちらです。

 

"I left Carricklea thinking I could have a different life. But I hate it here and now I can never go back there again. I mean those friendships are gone. "

 

 こちらはダブリンでの生活に苦労するコネルの言葉です。私もこう感じてとっても寂しくなったことがありました。

 

中学から高校、高校から大学、大学から社会人になった時、たまに昔の友達と会う機会ってありますよね。部活の友達など、昔はあれだけ共有するものがあって同じ目標を持って頑張っていた仲間だったのに、いざ月日が経ってから会うと全然しっくりこない。距離を感じる。友達が遠い存在になって悲しくなり、こんな感情を抱くなら、むしろ会わずに昔の素敵な思い出のままにしておいた方がよかったな、、、と思うことがありました。

 

もちろん、年月が経っても変わらない友情があって、一度再開すれば昔に一瞬で戻れるような友人もいます。しかし、そういった友人って限られていたりもします。

 

コネルの先に進んでもうまくいかず、ちょっと戻ってみようかなと思っても戻る場所もない、喪失感や孤独も大人になっていく過程で誰もが経験する大切な感情のように感じました。

 

素直になって言葉にできれば

 『Normal People/ノーマルピープル』の中では、コネルとマリアンがすれ違ってしまうシーンがあります。

 

周りへのプライドや自分へのプライドから、素直になれなかったり、言葉にできなかったせいで起こることです。

 

人生、本当に大切なことを見極めて、行動することはとっても難しいですが、もっと素直になって言葉にできていれば、きっと多くのことが違ったんだろうなと思います。大人への成長段階だと尚、難しいことだと思います。

 

大人になった私もまだまだ人生路頭に迷い中。一時に快適な環境のために、大切な何かを無くさないようにしたいなと感じさせられました。

 

特別な人に会えるのは、本当に特別

 『Normal People/ノーマルピープル』の最後の、マリアンとコネルは、お互いにお互いのために良いことを沢山してきて、人は本当に変われるんだ、コネルとマリアンはお互いに変わったんだと、気づいた最後のシーンにはとても感動しました。

 

コネルが今いる環境も辛く戻る場所もないと悩んでいることからもわかるように、人生で特別な人に出会えことは本当に特別なことだと思います。

 

コネルとマリアンは、そんな特別な人同士です。

『Normal People/ノーマルピープル』の中では、そんな特別な人同士の関係を読むことができ、本当に特別な人に出会えることは奇跡のように感じます。

 

私も特別な人と出会った際には、その出会いに感謝したいと思います。

 

 

 

ドラマ『Normal People/ノーマルピープル』も観ました

ドラマ『Normal People/ノーマルピープル』も観ました:plain

 

BBCで公開されていた『Normal People』も観ました。

こちらも最高におすすめのドラマです。

 

本が原作で、映像作品になったものは、断然原作の方がいい場合がほぼ100%です。

 

しかしドラマ『Normal People』は本と同等に素晴らしかった

 

何度も観たい作品の1つです。ぜひ観れるチャンスのある方には観ていただきたい!

 

 

『Normal People』まとめ

『Normal People/ノーマルピープル』は本当に読んでよかった1冊です。私のお気に入りの1冊になりました。ベストセラー小説になるのも納得です。

 

特に20代から30代の方にオススメの一冊です。