ビーガン娘のイギリス生活記

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【洋書レビュー】『The Silent Treatment』歳を重ねてから読み返したい1冊

【洋書レビュー】『The Silent Treatment』歳を重ねてから読み返したい1冊:plain

 

イギリスの本屋さんやレビューサイトで何回も見かけて気になっていた1冊『The Silent Treatment』を読んでみました。

 

2020年4月2日の発売されたAbbie Greavesさんによる小説です。

野球でホームランを打った選手に対してわざと冷たく祝福するサイレントトリートメントではなく、とっても感動的な物語です。

 

コロナウイルスにより大切な人の命が危険にさらされたり、大切な人を無くしてしまった人が多い2020年、2021年。この物語が心に響いた方が多いのではないかと思います。

 

 

『The Silent Treatment』あらすじ

とある出来事から6か月間口を閉ざしっぱなしの夫フランク。

妻のマギーはフランクがどうして6か月間一言も発しないのかはっきりとはわかっていませんでした。

 

フランクが口を閉ざしてからちょうど6か月後、フランクはマギーがキッチンで意識を失っているのを発見します。

 

病院に運ばれ救急病棟のベッドで意識を失ったまま横になっているマギーに、フランクは少しずつ口を閉ざしてしまった理由を解き明かしていきます。

 

人生の伴侶として長い時間を過ごしてきたマギーに6か月前から口を閉ざすようになった理由を話すため、フランクは二人が出会った頃から振り返りながら少しずつ口を開き、意識を失ったマギーに話しかけていきます。

 

一体フランクが口を閉ざしてしまった理由は何なのか?

フランクとマギーの視点から徐々に明かされていきます。

 

『The Silent Treatment』感想

大事な事や感じている事はきちんと言葉にして相手に伝えていかなくちゃな、と改めて思える1冊でした。

 

言葉にして伝えるって事が大切なのを分かっていても、なかなか実際には出来ない時もあるけど、大切な人と向き合っていくというのは、恥ずかしくても伝えた方がいいことって沢山あるよね、と思いました。大好きで大切な相手を守るために伝えない方がいいと判断したことでも、相手からしてみればその時は辛くても聞きたかったこともあるのも、コミュニケーションの難しいところだと改めて感じました。

 

夫と妻目線で、出会った時から今までの半生が振り返られながら描かれていた『The Silent Treatment』は、人生のいろいろな場面での思い出やその時言葉にできなかったけど感じていたことなどが書かれていて、私も年を重ねて、物語の主人公たちが経験したことを経験してから、もう一度読み返してみたい本だなと思いました。

 

結婚して、子育てをして、子が親離れをしてまた二人になってと、大好きな人と歩んで来た道が長くなってから是非読み直したい1冊ですし、私よりも人生の先輩でこう言ったことを経験してきた方の方が楽しめる1冊だと思いました。

 

将来、フランクとマギーみたいな劇的な方法で一緒に歩んで来た人生を振り返りたくはありませんが、今のパートナーと将来年を取った時に「あの時こんなことを感じてたよ」と

素直にいつまでも気持ちを共有出来る関係でいたいなと思いました。