ビーガン娘のイギリス生活記

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ラストキングダムの史実を徹底調査

イギリス在住・歴史好きの私はNetflixの歴史ドラマ『ラストキングダム』にどっぷりハマりました。そこでラストキングダムがどこまで史実に基づいているのかが気になり、徹底調査してみました。

 

 

歴史ドラマ『ラストキングダム』って?

Netflixで公開されている歴史ドラマ『ラストキングダム』はバーナード・コーンウェル氏による小説シリーズ『サクソン・シリーズ』が原作となっています。

 

舞台は9世紀から10世紀のイギリス。

アングロサクソン人が主流だったイギリスにデーン人(バイキング)が攻め、イギリス内の多くの国はデーン人の支配下となる。当時イギリスの小国の1つだったウェセックスの王アルフレッドから彼の孫の時代までの、アングロサクソン人がデーン人を追い返すまでの物語。

 

イギリス内でサクソン人として生まれデーン人として育った主人公ウートレッドが、イングランド生成に一役買う物語です。

 

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ウートレッドは実在した?

ラストキングダム』は史実に基づいたドラマで登場人物の多くが実在した歴史上の人物ですが、主人公のウートレッドは架空のキャラクターです。

 

正確には、ウートレッドという人物は『ラストキングダム』の100年以上後に実在していました。イングランド北部ノーザンブリアにあるバンバラ城の領主がウートレッドです。

 

ラストキングダム』の作者バーナード・コーンウェルは実在したウートレッドの子孫で、実在したウートレッドを100年ほど前の時代に持っていき、彼の小説の中で活躍させたそうです。

 

ルフレッド大王は学校でも習う歴史上の人物

ウートレッドは架空のキャラクターですが、そのほかの登場人物の多くが実在した歴史上の人物です。

 

物語の登場したルフレッド大王、妻のエアルフスウィス、エドワード、エセルフリーダなど王族は実在し、さらにバイキングのリーダーであったグスラムなども実在しました。

 

中でも有名なのはアルフレッドで、イギリスでは歴史の授業は大体1066年のノルマン人の征服(ノルマン・コンクエスト)から詳しく学ぶのが通常ですが、それより前の歴史としてアルフレッド大王についても少し学ぶそうです。日本でいう聖徳太子のような感じでしょうか?詳しくは学ばないけど、みんなが知っている歴史上の人物です。

 

ルフレッド大王はイギリスの君主として唯一「大王」と呼ばれており、英国海軍の父としても知られ、またそれまで7つの小国に分かれていたイングランドアングロサクソン人の国イングランドとして誕生する礎を作った人物としても知られています。

 

実際にアングロサクソン人の国としてイングランドを統一させたのは、『ラストキングダム』の終わりの方のシーズンにも出てくるアルフレッド大王の孫アゼルスタンですが、イングランドという国を作ろうというアイデアを初めて持ったのがアルフレッド大王です。

 

ドラマではアルフレッドは病気に悩まされていますが、実在したアルフレッドも体が弱く胃腸の病気だったとか。

 

9世紀に実際に活躍した女性エセルフリーダ

ドラマ『ラストキングダム』の後半シーズン4・5ではアルフレッドの娘エセルフリーダの活躍ぶりを観ることができます。

 

エセルフリーダはウートレッドの恋人でもありますが、夫がなくなった後にマーシアを実質的に治めた女性君主です。

 

イギリスにはエリザベス1世ビクトリア女王など女性の君主が存在しますが、9世紀というまだイングランドすら形成されていない時代に女性君主はいたのだろうか?フィクションなのではないか?と思ったのですが、エセルフリーダは実在し、実際にマーシアの女性君主でした。

 

エセルフリーダは「マーシアの貴婦人」と呼ばれるほど、マーシアの民から認められた統治者だったようです。まさにドラマと同じです!

 

エゼルレッドはそんなに悪い奴じゃない⁈

ラストキングダム』に出てくる王族系の人物は歴史上に実在した人物が基になって描かれていますが、マーシアの統治者でエセルフリーダの夫エゼルレッドの正体はドラマとは少し違ったようです。

 

ドラマ内では若くイケメンな容姿ですが、エゼルレッドとエセルフリーダが結婚した際、エゼルレッドはエセルフリーダの倍以上の年齢とかなりの年の差結婚だったそうです。エセルフリーダは16歳で結婚しているのでエゼルレッドは30台半ばか後半、それ以上ということに。

 

またドラマではエゼルレッドはかなり悪役でエセルフリーダへの愛はなく暗殺まで企てるほどでした。しかし歴史文献にはそういったことは書かれていないそうです。

 

二人の間に一人の娘しかいなかったのは史実通りなのですが、これはエセルフリーダが出産の痛みがトラウマとなり、その後夫と性的関係を一切望まなかったためと歴史文献には記されているそうです。

 

グスラムの洗礼は史実に基づく

シーズン1ではアルフレッドが統治するウェセックスは、唯一バイキングに侵略されていない残された国(まさにラストキングダム)でした。

 

バイキングは残された唯一のアングロサクソン人の国ウェセックスを侵略するため、力を合わせて攻め入ります。この戦いが史実に基づく「エディントンの戦い」です。

 

エディントンの戦いでアルフレッド率いるウェセックスが勝利を収めます。戦いに敗れたグスラム王はアルフレッド王よりキリスト教に改宗すれば引き続きイーストアングリアの王で居続けられるという条件を提示されます。

 

グスラム王はその条件をのみ、キリスト教に改宗します。ドラマ内でもシーズン1の終わりにグスラムがキリスト教の洗礼式を受けますが、これは実際の歴史に基づいていることです。

 

その後グスラムは死ぬまでキリスト教の王としてイーストアングリアを統治します。

 

ルフレッド王はロンドンをマーシアにプレゼントした

ドラマにもある通り、ロンドンは元々マーシアの領土だったのですが、バイキングに侵略されていました。

 

そこでドラマではアルフレッド大王がウートレッドをロンドンに送り、ロンドンをバイキングから奪い返します。ウートレッドはフィクションでドラマ上のキャラクターなため、実際にはロンドンからバイキングを奪い返すのに一役買ったのはウートレッドではありませんが、アルフレッド大王によってロンドンがバイキングの統治からアングロサクソンの統治下に代わります。

 

ルフレッドはロンドンのテムズ川を使って貿易を行っていました。当時港として使われていた場所が発掘され、現在ではその記念碑が飾られています。

 

 

ルフレッドは自身の娘エセルフリーダがマーシアのエゼルレッドと結婚する際に、結婚のお祝いとしてロンドンをマーシアにプレゼントします。これは実際に歴史上で起こったことでドラマで描かれている通りです。

 

ラストキングダムの史実を徹底調査

Netflixドラマ『ラストキングダム』にドはまりし、そこからどのくらい史実を基に作られたのかと調べてみたところ、かなり史実を基に作られているドラマであることがわかりました。

 

もちろん主人公がフィクションなのでドラマもフィクションとして楽しむ必要がありますが、歴史的なタイムラインや戦いなどを基にして作られているドラマなため、歴史に興味を持ったり、歴史の勉強のとっかかりとして最適なドラマに感じます。

 

私もラストキングダムがきっかけで、アングロサクソンの歴史を勉強し始めました。

 

ラストキングダム』は勉強にもなり面白く、まさに歴史ドラマの醍醐味が味わえるドラマです。

 

今回ご紹介したこと以外にも、ドラマの多くの出来事が実際の歴史に基づいているので、もっともっと調べてみようと思います。

 

 

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