英語を上達させるためには、やっぱりたくさん読んで、たくさん聞いて、たくさん書いて、たくさん話してと量が必要だと思います。
そこで、洋書多読をして少しでも英語力を上げようと思い、最近は洋書をよく読んでいます。
せっかく読んだのだから記録に残そうと思い、「洋書レビュー」を始めてみようと思います。
読むペースも遅く、まだまだ読むことに慣れていないので、「洋書レビュー」の頻度は低いかと思いますが、気が向くままに書いてみようと思います。
私の洋書レビュー第一弾は、世界で最も読むべき本ともいわれている有名な、ジョージー・オーウェルによる『1984』です。
『1984』ジョージ・オーウェル
ジョージ・オーウェルの『1984』は世界の名作100選に選ばれている小説で、教養のためにも読んでおいて間違えのない本です。
英語圏やヨーロッパ圏内では、このジョージ・オーウェルの名作『1984』の有名なフレーズがよく会話や記事の中で引用されたり、デモ活動で有名なフレーズをもじって使ったりしています。内容を知っていることが当たり前のように扱われるため、『1984』を読んでいないと、会話の内容などをうまく理解できないシチュエーションに出くわす可能性もあるほどです。
それほど誰もが知っている名作『1984』を読んだことがなかったので、読んでみました。
『1984』の感想
『1984』を読むうえで忘れてはいけないのが、この本が第二次世界大戦後間もない、1948年に書かれたということです。
70年以上も前に書かれた小説であるにも関わらず、小説の中に書かれている世界は今の世界と重なる部分が多くあり、社会の根本的な部分は変わっていないのかなと思いました。
そしてそれと同時に、社会はほんの一部の人が動かしていて、それ以外の人は生きているのか、生かされているのか、、、と私が病んでいる時に考えさせられる問題が描かれているなと思いました。
「過去を制する者が未来を制す、今を制する者が過去を制す」
「過去を制する者は未来を制す、今を制する者が過去を制す」
ジョージ・オーウェルの『1984』で出てくる言葉です。
「 過去を制する者は未来を制する」と読んだ時、過去を制していたものがずっと権力を持ち続けて制し続けるということなのかと思いました。
しかし『1984』を読み続けると、「過去を制する者は未来を制する」に続く、「今を制する者が過去を制する」に納得がいき、前半部分の「過去を制する者は未来を制する」の意味が判明していきました。
今を制する者が過去を書き換えていき、過去も未来も制するのです。
なんだか、政治で聞いたことのあるような話だなと思いました。
世の中、どれだけのものが権力者の都合がいいように書き換えられ、伝えられ、一般庶民はそれを信じるしかない、信じるのが当たり前の世界なのか。。。
もちろん『1984』は小説ですが、書かれた当時の世界、今の世界、そして将来も変わる可能性が少ないだろう未来の世界の一部が書かれているような気がして、背筋に悪寒が走りました。
「戦争は平和だ」
「戦争は平和だ」
こちらもジョージ・オーウェルの『1984』に出てくる言葉です。
深い!!
最初に”War is peace"(「戦争は平和だ」)と読んだ時は、「?」といった感じでしたが、物事の奥底までを見てみると、本当の「戦争は平和だ」の意味が分かりました。
大学生の時の国際関係学の授業で、戦争をするのは国外に敵を作って、国内の混乱を忘れさせ、一致団結するためでもある、と習ったことを思い出しました。
『1984』の中で「戦争は平和だ」と言われているのは、大学で習ったこのこととは少し違いますが、同ずるところもあると思いました。
権力のない庶民がずっと庶民でいるために、庶民が裕福にならないで、庶民の労働力を使い続けるには、戦争が一番だ、ということに、本当に世の中は一握りの権力者がコントロールしていて、残りの人は生かされているだけなんではないだろうか、と恐怖を感じさせられました。
小説でありながら、社会に問題定義をする『1984』は、考えさせられました。
ジョージ・オーウェルの『1984』レビュー:まとめ
世界の名作100選にも選ばれている、ジョージ・オーウェルの『1984』。英語圏やヨーロッパ圏内では、内容を知っていて当たり前を思われている本を読んでみました。
70年以上前に書かれた本であるにも関わらず、今でも多くの人に読まれているだけあって、読んでよかったなと思う1冊です。
70年前に書かれた本の中で批判した社会構図が、今なお人々に考えさせる普遍的なものであることに驚きながらも、同じような社会構図が今でもみられることに残念に思いました。
私は読んでいて『1984』の終わり方に納得がいかなかったのですが、考えてみると、あのように本が終わったのにもオーウェルの世の中の批判が含まれているように感じました。
ああやって本が終わるのも、オーウェルが人間がその社会構図を作っている原因だと批判されているような気分です。
だからこそこの本を今読んでも、70年前に読んだ人が感じたものを感じられるし、おそらく今から70年後にこの本を読む人も同じように感じるのではないかな、と思いました。
でも同じように感じないためにも、社会の仕組み構造がいつか変わる日が来るかもしれないですね。
クラシックな本なので少し読みづらい箇所もありますが、教養として読んでいて間違いのない本だと思います。